Displaced Listening
Caption
本作品では、渋谷を舞台に、互いに見知らぬ二人がバイノーラルマイクとイヤフォンを装着し、それぞれの周囲の音をリアルタイムに交換し、それを頼りにしながら移動するというプロジェクトである。 消費社会の中心として、多くの人が集まる都市では、デジタルサイネージに映る広告の音声や街頭演説、交通機関のアナウンスなどの多様な音を持つ。これらは日常生活においてはノイズとして扱われることが多いが、本作品では、参加者である二人が互いに近づき、出会うためのきっかけとして機能する。この過程で、都市は予め定められた目的地へ向かう空間ではなく、出来事が立ち現れ続ける場として経験される。また、距離は地図上の数値によって把握されるものではなく、音の重なりやズレとして知覚される。 本作品は、変化し続ける都市の音を通して、視覚なイメージや地図によって固定化された都市像の背後にある、流動的な都市のあり方を認識し直そうとする試みである。
Detail
- Year: 2026
- Media: Binaural microphones, earphones, real-time audio transmission
- Credit: Taito Fushimi
- 発表場所: Shibuya, Tokyo